国内ミステリー小説

安生 正『レッドリスト』が予測不可能で衝撃的なサスペンスだった!!

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安生 正先生といえば『生存者ゼロ』をはじめとする“ゼロシリーズ”で有名ですよね

 

“ゼロシリーズ”も記事として描きたいのですがそれは

またの機会にということで^^

 

知ったかぶりして書いていますが

実は、安生先生の作品を読むのは本作『レッドリスト』が初めてなんです!!

 

“ゼロシリーズ”は以前から気になっているシリーズ作品で、今回の『レッドリスト』が面白ければシリーズ丸々一気読みしようかなと思い読んでみました

 

そんで、今回紹介する安生 正先生の『レッドリスト』という作品

 

最初で言っておきますが本作は好き嫌いがはっきり分かれると思いますよ。

その理由は

 

① 設定、登場人物が独特過ぎる

② 文章が人によっては伝わりにくい(私がそうでした)

③ 仕掛けと解決法が何とも言えない

 

以上、個人的な考えですが、3つの理由から好き嫌いがはっきりすると感じました

 

ちなみに、私はどちらかといえば好きです

 

文章は最後まで読みにくかったのですが

まあ、慣れてしまえば気になりませんし、オチは本作の設定上仕方がないと割り切りました

 

ですが、勘違いしないでくださいね

確かに序盤は「なんだ、こんなものか…」と思いましたよ

 

しかし、ラスト100ページくらいから

「この作品、こんなに面白かったっけ!?」と思い一気読みでした。

 

安生 正『レッドリスト』

 

 

東京を舞台に大寒波、感染症による死者、などなど

立て続けに事件が連続する予測不可能な展開で繰り広げられるサスペンス小説

 

『レッドリスト』は物語の設定上、専門的な用語や現象が数多く出てきますが

厚生労働省、国立感染症研究所の室長、生物進化研究室の教授などなど

 

とにかく色々な切り口、視点で分かりやすく読むことができます。

 

第一の事件

 

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下のもつれ、顔面の強い引きつり、痙攣、歩行障害を訴える患者が続出します。

 

その症状から、破傷風の感染症の疑いと診断し、集中治療室で一通り処置を終える。

 

しかし、これは第一波に過ぎなかった…

 

午後になって、高熱、痙攣、血圧の低下、顔面蒼白、意識障害などを起こした患者が次から次に病院に搬送させてきます。

 

こちらは、大腸感染症が疑わしいと判断しますが

処置を行おうにも患者の数が異常

 

その人数は、53名

 

もちろん、一病院で53名もの患者を同時に看護することなど不可能

 

さらに、中には、破傷風と大腸感染症

どちらにも感染しているものも…

 

そしてついに、恐れていた事態にまで発展してしまう

 

この感染症での死者が出てしまったのです。

 

国立感染症研究所の調査の結果

 

一つは、破傷風

もう一つは、細菌性赤痢と特定しますが

赤痢の方は全くの新種とのこと

 

ここで起こるバラバラ殺人

 

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感染症だけでは収まらず

立て続けに事件が発生するのが『レッドリスト』の最大の特徴

 

本当に、息をつく暇もないですよ

 

地下鉄構内でなんとバラバラ殺人が発生

 

しかも、その死体をある生物が食い荒らしているという異常事態

 

死体がバラバラにされていることから地下鉄構内が殺人現場とは考えにくく現場は別にあるという結論

 

まとめると

どこか別の場所で殺害し、遺体をバラバラに

 

遺体の一部は、地下鉄構内に捨てられ

それを腹を空かせたある生物が食べていた

という事なのですが捜査は難航

 

実は、捜査が延々と進まないのには、ある理由があった。

 

組織の壁

 

当初、大槻氏の足取りを追うのに、東京メトロから提供された京橋駅のカメラ映像が決め手になっていたが、それは、改装工事の駅で、通常のアングルでは死角になる場所用に設置された臨時カメラの物だった。

 

そこで、他もカメラ映像も提供するように求めたが、東京メトロの対応が鈍かった。

不審に思って問いただしたところ、京橋駅の常設カメラ映像が消去されていた事実が明かされた

 

p.96より引用

 

 

東京メトロ側は、もう一つ隠していることがあり

 

駅の職員が、事件の翌日から無断欠勤しているという事も警察に合わせて話します。

 

これだけでも致命的な遅れなのだが捜査が難航しているのにはもう一つ…

 

最も厄介なのは、発見されたのが人体の一部でしかないため、銃創、切創、刺創など、直接的な死因となる損傷を特定できないという事

 

p.109より引用

 

 

そして、ようやく事件の犯人と思しき

毛皮の女性にたどり着くが!?

 

まだまだ、続く!!

 

これでもか!!と事件が続くのが『レッドリスト』である

 

一番厄介な感染症の発生

 

次は、上野公園周辺で全身痙攣、呼吸困難に陥る患者が発生

しかも、30分の間に救急車の出動要請が5回も来るという異常事態

 

まさに、緊急者の中は混乱の極みです

 

この感染症は、我が国日本ではごく稀な

いや、ほぼ起きるはずのない感染症なんです

 

今度は、上野駅周辺をねぐらにしていたホームレス数人が、狂犬病を発症した。

 

平成十八年(二〇〇六年)にフィリピンで犬に噛まれ、帰国後、狂犬病を発症して亡くなった国内発症事例以降初めてだ。

 

しかもホームレスに渡航歴はない。

 

p.168より引用

 

 

狂犬病は発症してしまうと、致死率ほぼ100%

これまでの感染症とは格が違う

 

普通、狂犬病はその名の通り主に犬が媒介者なのですが

野犬の少ない東京でなぜ狂犬病が蔓延しているのでしょうか??

 

すべては、ある生物に関係が!?

 

ここでいうある生物とは先ほど言ったものとはまた別の生物

 

ややこしいので生物Xとでもしましょうか

 

新種を交えた感染症、バラバラ殺人、毛皮の女性と一見無関係に思えるこの事件たち

 

しかし、答えは生物Xに繋がっているのです

 

この生物Xというのは

帯に書いている「何かが、地下にいる。」ってやつですね

 

ここまでの事件の答えが少しずつ見え始めた時が『レッドリスト』の中で最高に見ごたえのあるところで

ぜひ購入して読んでもらいたいシーンなので

 

生物Xについては、核心に触れるのはやめにしておきましょう。

 

ヒントとしては恐らく誰でもわかる生物です!!

 

とは言え、ライオンとかの大型肉食獣ではないですよ??

もっとシンプルな本当に誰にだってわかる生物です

 

評価

 

繰り返すことになりますが

設定が独特すぎて飲み込むのに時間が少々かかるのと

文章が読みにくいという事が少し気になりはしましたが

 

ストーリーとしては、サスペンスとしてドキドキしながら読むことができます

 

終盤は緊張感MAXで一気読みしてしまうほどです

 

本作『レッドリスト』はハマる人にはとことんはハマる作品だと思います

 

最後に、オチの切れ味の悪さから

もしかするとシリーズ化もあり得ると推測しています

 

というか、この緊張感をもう一度味わいたいので

シリーズ化を期待!!

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