メフィスト賞

『NO推理、NO探偵?』がメフィスト賞史に残る超大作でした。

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コレはアカンやつだわ…

 

「絶賛」か「激怒」しかいらない。

 

最初にやたらハイテンションな惹句が目に飛び込んできますよね。

 

『NO推理、NO探偵?』はその言葉が相応しいって感じの作品です。

 

さらに相応しく言い換えるのなら、「絶賛」か「激怒」のどちらかしかないの方が良いかもしれません。

 

メフィスト賞受賞作品らしく、癖はかなり強めです(ってか、強すぎです)

 

多分、メフィスト賞が無ければ世に出ていなかった作品かもしれません…。こんな名作に出会わせてくれたメフィスト賞に感謝しています。

 

全体を通して言えるのは、設定や書き方が無理という人にはとことん無理な作品という事くらいです。

 

好きな人には一生忘れられない作品だと思います。

 

簡潔に言うなら、完全に読者を選ぶ問題作ということ

何が問題作かって??それは後々わかります。

 

私が『NO推理、NO探偵?』に評価をつけるなら間違いなく「☆5」です。大好きですねこの手のお話は。

 

まあ、前置きでベラベラ喋っても仕方がないので早速本題へ行きましょう!!

 

柾木正宗『NO推理。NO探偵?』

 

 

見事な推理で事件を解決していくオーソドックスな探偵・美智駆アイと助手兼語り手の取手ユウ。

 

アイはいつものように切れ味の鋭い推理で犯人を突き止めました。

 

しかし、犯人の去り際アイは犯人に催眠術を掛けられて推理ができない体になってしまいます。

 

アイにとっては事件を解決するために絶対に必要な推理がなくなったわけですが

 

 

「何も推理できないの?」

 

「うん。どうしよう私、頭が働かなくなってる!」

 

「これはナイスタイミング!これで推理をしない名探偵の誕生だね。あ、無能と化したことだし、大至急アイちゃんを『名探偵』って誇大表示で呼ぶのはやめないと。そうしないとJAROが来ちゃう」

 

p.18より引用 

 

助手のユウはこれである。

 

そんなわけで、『NO推理、NO探偵?』は推理が出来なくなったアイを名探偵にすべく推理をせずに事件を解決していこうぜ!!というお話です。

 

サクッとあらすじ紹介

 

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伝えたい事がいっぱいあるからサクッと行くよ~(*^_^*)

 

第一話『日常の謎っぽいやつ』

 

その辺にいた男子小学生がなぜ道に石を並べているのか??という謎を解く話です。

 

第一話~第四話の中ではまだミステリーとして成立していたような気がする話でした。普通に好みでびっくりです。

 

あくまでも、“日常の謎”っぽいやつとして読んでくださいね。

 

第二話『アクションミステリっぽいやつ』

 

とあるビルの3階から暴走族の一員が落っこちてきたことがきっかけで暴走族同士の抗争に巻き込まれるという物語

 

これは、果たしてミステリーと呼べるのだろうか…??

 

第三話『旅情ミステリっぽいやつ』

 

河原敷で女子大学生の死体が発見されます

その手には“ふ菓子”の粉末が付着していました。

そんな事件を“旅情ミステリ”っぽく解決していきます。

 

発想はかなり好みでしたが、旅情ミステリというよりは散歩ですね。

 

『散歩ミステリっぽいやつ』に変更しましょう!!(冗談です。すいません。)

 

第四話『エロミスっぽいやつ』

 

大豪邸で密室の部屋に全裸の女性の死体が発見されました。

その事件をエロを駆使して解決していくよ!!って話

 

事件自体はかなりミステリっぽいですがテーマはあくまで“エロ”なのに全くと言っていいほどエロくないっ!!

 

表紙を見て一番期待していたのに…。(´;ω;`)

 

最終話『安楽椅子探偵っぽいやつ』

 

ここまで、「え?全く面白そうじゃないんだけど、こいつ大丈夫か??」と大半の方は思いましたよね。

 

ですが、『NO推理、NO探偵』は最終話にして本番なんです。

 

ネタバレになるため内容は伏せますが、最終話を書きたいがために第一話~第四話で茶番を繰り広げていたといっても過言ではないでしょう。

 

最終話に作品のすべてを賭けている感じが超大好きなんですよね!!最高です、はい。

 

トッリクなんかぶっ飛びました…。そう来るか、流石はメフィスト賞、本当に自由だな!!

 

メタい、メタ的すぎる

 

どうやら、語り手であるユウは1ページに1回はメタ発言をしないと気が済まないらしいです。

 

そこが本書の面白い所なんですけどね。

 

……さっき流れゆく夢とか言ってたし、私は推理小説の中にいる人物だから『流夢(ルーム)』って当て字もちゃんと表現しとくけど、ミステリクラスタの私たちに向ってそのネーミング、なかなかチャレンジングなことしてくれるな?

 

私は推理小説の中にいないふりをして読者の皆様をバカにするわけにはいかないけど、お前のことはバカにしてやんぞ?

 

p.14より引用

 

最高でしょ!!ミステリー小説でここまで思い切ったメタ発言をする作品なんて滅多にお目にかかれない。

 

おまけに、そのメタ発言までもトリックに…おっとこれ以上は言ってはいけないやつです。

 

読者への挑戦状を解く楽しみを奪ってしまうところでしたよ。

 

あらすじの紹介では「これは、ミステリーなんとか散歩ミステリだ」的なことを言いましたが

 

第一章~第四章まではただのメタ発言多めな小説くらいのノリで読んだ方が楽しめると思います。

 

おわりに

 

同じことを言いますが、『NO推理、NO探偵?』は完全に読者を選ぶ作品です。

 

帯で法月綸太郎さんが第『53』回受賞作はメフィスト賞の『ジョーカー』だよね?

 

とおっしゃっていましたが、まさにその通りだと感じました。

 

前にも後にも本書を超える衝撃を味わえる作品には出会えないかもしれません。(メフィスト賞での話ですが)

 

一つ言えることは、柾木さんは本当にメフィスト賞と本格ミステリが大好きなんだという事です。

 

最後は、担当さんのお言葉を借りましょう

 

『NO推理、NO探偵?』に喜ぶか怒るか。さて、鏡に映るあなたの表情はどちらでしょうか?

 

 

 


 

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