早坂吝『○○○○○○○○殺人事件』-前代未聞のタイトル当てに挑戦してみよう

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「そんなばかなっ!!」ってなるいわゆるバカミスで有名な

第50回メフィスト賞受賞作『○○○○○○○○殺人事件』

 

特徴的なのはそのタイトル。

 

なぜ、○○が連続で8つも続いているのかと思うかもしれません。

 

まあ、この○○には漢字とひらがなを合わせたことわざ8文字が入るのです。

 

本書『○○○○○○○○殺人事件』は前代未聞のタイトル当て本格ミステリー小説なのですよ!!熱いね、熱すぎるね

 

ミステリー小説を数々読んでいる私もタイトルを当てるなんて小説見たことも聞いたこともありません。

 

流石はメフィスト賞です。なんでもありですね。

 

早坂吝『○○○○○○○○殺人事件』

 

 

最初のページから早坂さんの煽りに煽った読者への挑戦状が出てきます。

 

今回諸君らに取り組んでいただくのは、犯人当てでも、トリック当てでも、動機当てでもなく、タイトル当てである。

 

○の数は伏せられている言葉の文数に対応する。したがって八文字である。漢字は一文字と数える。

 

(省略)

 

何、タイトル当てなどに興味がない?普通の推理小説が読みたい?安心したまえ。

 

そういう人のために、本文は孤島や仮面の男、針と糸も密室が登場する古式ゆかしき本格ミステリとなっている。殺人犯を論理的に導き出すことも可能だ。

 

もっとも、そちらの方は難しすぎて諸君らの手には負えないだろうが……。

 

P9、10より引用

 

「タイトル当てより事件の方が難しい??やってやんよ!!

犯人とトリックを最後の一文までに解き明かしてやる!」

 

と意気込んだのは良いものの、犯人はわかっても最後の最後まで隠されているある設定には気づく人はいないでしょう。

 

伏線もしっかりあったし、言われてみれば登場人物の行動も不自然なものが多かったが、そういう事か…。

 

バカミスって言われているけど本格としても一級品な作品が『○○○○○○○○殺人事件』です。

 

おっと、好き勝手書きすぎてあらすじがまだでしたね。

 

小笠原諸島にある再従兄弟島(またいとこじま)

 

その島にあるブログを通じて知り合った7人が毎年遊びに行きます。

 

今年も楽しむぞ~と意気込んでいたメンバー達でしたが、フリーライターの成瀬瞬が他のメンバー無断“上木らいち”という赤毛の女の子を連れてきて、なんで勝手に連れてくるの!?と一悶着。

 

色々、ごたごたがありながらもお待ちかねの島に到着。楽しいバカンスの始まりだ!!

 

とはいかず、島に着いて翌日メンバーの2人手紙を残しがクルーザーに乗り失踪…。

 

しかも、クルーザーを運転できる唯一の人物が失踪、これでらいちたちは島に閉じ込められてしまいます。

 

こんな状況で起こるのはやっぱり殺人事件…。

 

まさかの挿話でネタバレ!?絶対にわからない設定て何!??

 

冒頭で、犯人はわかっても最後まで隠されている設定は解けない。といったと思います。

 

犯人自体は後半の挿話でなんとびっくり作者自身からネタバレされます。

 

はい、それははっきりと「犯人こいつだよ、トリックは~」的なノリでネタバレ。もう笑うしかなかった(;´∀`)

 

しかし、明かされるトリックはあくまで一部のみ。それで完全ではないのです。

 

それまでに書かれていることを注意して読んでいれば絶対に犯人もトリックの一部もわかるようになっています。

 

だって、あからさまに「犯人はこいつですよ!!」って言いふらすような書き方がされているしね。

 

「挑戦状の古式ゆかしい本格ミステリってそういう事か!!」ってなりました。

 

だって使い古された本当に古いトリックですし(;^ω^)

 

それだけだと、本当にただのバカミス(バカミスですらないが)ですが『○○○○○○○○殺人事件』は一味違う。

 

解決編で絶海の孤島である必要性が明かされた瞬間びっくり仰天です。

 

伏線は勿論、不思議な所も多々ありましたので、挑戦状に書いている“理論的に犯人を導き出せる”という点には嘘はありません

 

でもさすがに彼らが○○○○○○ってのは解けないですよ!!

 

日本人の常識を上手く逆手にとった見事な叙述トリック。本当に素晴らしい。

 

本格だけどR指定

 

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『○○○○○○○○殺人事件』は、“援交探偵上木らいちシリーズ”第一作目の作品

 

はっきり言って、本格バカエロミスです。(意味不)

 

それはもう、下ネタばんばん出てきますし、トリックもそれに近いものです。

 

なので、高校生の方は読むとき、親御さんに見つからないように細心の注意を払い読みましょうね!!

 

もちろん、高校生以上の方も電車などの公共の場で読むとうっかり横を覗いた隣の人に白い目で見られますよ!

 

高校生以下の方は…大人として建前で読まない方が良いとだけ言いましょう。

 

ってくらいに、その手の単語が入ってきます。

 

まあ、比率で言うとエロは2~3割といったところです。

 

なぜ、このことを書いたかというと

 

買う前にエロミスであるという前情報が無いと苦手な人が買ってしまう恐れがあるからです。

 

援交探偵というくらいだから、らいちは援助交際をしてお金を稼いでいます。

 

もちろん、そういう描写もあります。なので読者の方に認知して欲しくて書かせていただきました。

 

不快に思った方、本当に申し訳ございませんm(__)m

 

それにしても、らいちが18歳というのはサバ読みであってほしかったところですが…。

 

おわりに

 

『○○○○○○○○殺人事件』はいろんな意味で問題作でした。

 

エロミスではありますが、らいちシリーズは“社会派エロミス”だと個人的には思います。

 

日本人の常識を逆手に取るような設定も“日本人には理解できなくても世界では理解されている場合がある”

 

と言いたいように私は思えました。

 

基本的には、本格ミステリーとして本当に面白い作品だと思っています。