メフィスト賞

第56回メフィスト賞受賞作『コンビニなしでは生きられない』はコンビニ愛溢れる良作でした。

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うん、面白い

 

てか、コンビニ愛がすごいっ!!!

 

読めばわかるどれほど秋保水菓さんがコンビニ好きなのか

 

コンビニという狭い世界でよくあそこまで面白くかけるものですね

 

最初の1ページを読みながら感じた感覚が

「あれ?なんか何かに似てない??」というもの

 

とはいえ、話が似ているのではなく

書き方が似ているという感じです

 

気になって、メフィスト賞のホームページで秋保水菓さんの一問一答を読んでみたのですが

 

秋保さんは『氷菓』のTV放送を偶然見てそこから、原作を読み作家を志ったそうです。

 

納得。ストーリー展開とかキャラクターの雰囲気作りとか言われてみれば『古典部シリーズ』にそっくりですもん‼︎

 

もちろん、『コンビニなしでは生きられない』は『氷菓』と同じく日常の謎を解決していくミステリー小説です。

 

ペンネームの“水菓”は恐らく『氷菓』をもじったものなのでしょう。

 

とにかく、『コンビニなしでは生きられない』を読めば秋保さんがどれだけコンビニが好きで、米澤さんのファンなのかわかります。

 

秋保水菓『コンビニなしでは生きられない』

 

 

大学を家族に相談もせずに中退しコンビニでバイトするだけの日々を送っていた白秋(はくしゅう)と

 

白秋の働くコンビニ・ソンローに新人バイト生として入ってきた黒葉深咲(くろはみさき)の二人がコンビニで起こる不可解な事件を解決していくお話。

 

ジューソン濱岡狼閣街店―通称「ソンロー」と呼ばれるこのお店は横浜市の東部に位置する狼閣街という名の繁華街の中に、十年ほど前に建てられたコンビニエンスストアだ。

 

P11より引用

 

“ソンロー”っていかにも牛乳瓶の看板が掲げられていそうですね。

 

てっきり、白秋が黒葉とソンローで起こる事件を解決しながら大学を辞めた過去を掘り下げていく

 

みたいなストーリーだと思っていたのですが

 

そんなことなかったです。

 

本書は、ソンローを長く蝕んでいた連続盗難事件を解決していくのがメインの謎となっています

 

しかし、第1章を読みながら感じる違和感

 

第2章、第3章と読み進めるもその違和感は全く収まらないですよ

 

まさか、黒葉にはそんな思惑があったなんて…!!

 

メフィスト賞にしては珍しい

 

お仕事系ミステリーがメフィスト賞から発売されるのがすごく新鮮に感じて即購入しました

 

私の中のメフィスト賞って

とにかくぶっ飛んでいて、面白ければ何やってもOKな作品が多いと思っているのですが…(そこが好きなんだけど)

 

例えば、とにかく自由にやりたい放題だった『NO推理、NO探偵?』や前代未聞のタイトル当て『○○○○○○○○殺人事件』みたいな

 

とにかくぶっ飛んでいて一癖も二癖もある作品が多いイメージ

 

ですが本書はしっかり、真面目にあまり癖もなくミステリーしてます!!(他の受賞作品も好きですよ!!)

 

メフィスト賞に私と同じような感覚を抱いていると

「あれ?メフィスト賞にしては珍しく普通だな。」と感じるかもしれません

 

良くも悪くもメフィスト賞らしくないということですね。(クセが弱いという意味で)

 

 

簡単なあらすじ

 

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第1章『コンビニ強盗から始めましょう』

 

黒葉深咲の初出勤に巷を騒がせている連続コンビニ強盗犯がソンローに押しかけてくるお話

 

コンビニ強盗は何故、犯行後にリスクを冒してまで犯行現場であるソンローに留まったのか??という謎を解決していく

 

第2章『傘は返さないといけないんです』

 

わざわざ、休止中のレジに何度もお会計をしてくるおばあさん。

 

白秋が接客した回数は数分間で実に十数回!?

 

おばあさんがそこまでする目的とは―。

 

第3章『このコンビニから消えた女の子を覚えている』

 

女の子にクジやお菓子を買い与えていた男は女の子の父親でもなかった

 

そして、その男がソンローの店頭でボイスチェンジャーの様な物を使い「サツ」や「車」など誘拐を仄めかす言葉を耳にします

 

男は、最近人身売買で逮捕されたブロガーの仲間なのか

 

第4章『モノクロコンビニズム』

 

本書の大きな謎“ソンロー連続盗難事件”の犯人とされている男子高校生・鈴木大(自殺してこの世を去っている)と白秋の過去を書いた話。

 

第5章『黒幕の向こうの会計』

 

本書で最も多くのページが話

 

ネタバレになるのであまり深くは言えませんが

 

この章で“連続盗難事件”の真犯人が明らかになります。

 

いや~、この話は色々すごかったですよ…

「秋保さんが次の作品を書くのなら必ず読む!!」と決意したくらい面白かったです

 

第6章『黒白の時間』

 

申し訳ございません。

こちらの話もネタバレになるため深く書けません

 

この話で第1章~第4章で抱かずにはいられなかった違和感が見事に繋がりました。

 

はいはい、だから第5章では多少強引に解決したのか

 

さらに、ここまでの話が覆るどんでん返しで読むペース超加速!!

 

これはボロ泣き確定だったわ(T ^ T)

 

第7章『コンビニなしでは生きられない』

 

本書のエピローグ的なものです

 

白秋と黒葉の関係性の進展を中心に他のバイト仲間がその後どうするのか?という事が書かれています。

 

すべてが伏線だった!?

 

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文中に散りばめられていたのは勿論。

他にも、タイトル。さらには、サブタイトルにまでも伏線を忍ばせていました

 

特にサブタイトルは読後に「ああ、そういう事か!!やられたな」と思いましたね。素直にこの仕掛けは素晴らしかったです。

 

ってか、秋保さんの伏線回収能力が半端なく高くてびっくり

 

けど、読者側としては、白秋の過去とか名前とかを少し掘り下げて書いていただきたかったですが

 

恐らく秋保さんはそのあたりに触れるつもりは無かったんでしょう。

 

それともあれか、続編も書くよって伏線ですか!!?(願望)

 

続編のあるなしは置いといて、秋保水菓さんの次作は必ず読む(*≧∀≦*)

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