シリーズもの

青柳碧人『浜村渚の計算ノート』ー数学の面白さが堪能できるミステリー小説

 

  • 数学×ミステリーの新しい切り口が新鮮
  • 読んでいるうちに数学の知識が身につく
  • 読むうちに「数学楽しい\(^o^)/」となる

はいどうも、山田絵日記です。

今回紹介する作品は青柳碧人さんの『浜村渚の計算ノート』。

 

本作は、〈浜村渚の計算ノート〉シリーズとして現在まで(2019年2月15日時点)で10冊発刊されている人気シリーズ。

 

本シリーズを書きだしたきっかけは、中学生に「数学なんか勉強して、一体なんの意味がある?」と尋ねられて答えに困り、自分なりの回答を見つけるためだとか。

そんな、〈浜村渚の計算ノート〉シリーズの記念すべき1作目『浜村渚の計算ノート』について感想を書かせて頂こうと思います。

青柳碧人『浜村渚の計算ノート』


政府によって、数学がなくなった世界が舞台のお話。

数学をなくすという政府の行動に対し『黒い三角定規』という組織が猛反発。

日本人のほとんどを人質に取りテロ行為を行っていきます。

 

彼らの要求はただ一つ。

『義務教育における数学の地位を向上させること』のみ。

 

厄介なことに彼らが引き起こすテロ行為はどれも数学を用いた高度なものばかり。

そこで、警察庁が協力を仰いだのが、浜村渚(はまむら なぎさ)だった。

 

浜村渚は『黒い三角定規』が次々に起こす数学を用いたテロ行為を解決することのができるのか。

日本の救世主・浜村渚!!

数学を用いたテロ行為に『黒い三角定規・特別対策本部』は日々頭を悩ませんていました。

そんなある日、浜村渚が千葉県警の刑事の紹介で対策本部を訪れます。

 

彼女を見た瞬間誰もが目を疑った…

…日本の救世主が中学生?!

その後、彼らは浜村渚とナンバープレイスで勝負してその実力を思い知らされます。

そう、浜村渚は天才数学少女だったのです。

 

というわけで、天才数学少女・浜村渚が主人公で探偵役を務め、『黒い三角定規』が次々に引き起こすテロ行為を解決していきます。

それで、浜村渚ちゃんは言動がものすごく可愛らしく、表紙のまんまって感じです!!

数学が苦手でも楽しめる作品

しつこいようですが、本作は数学を題材とした作品です。

「数学か…そもそも足し算すらできないのにどうやって読めと!!」なんて考えていました(;^ω^)

しかし、中盤からは「数学楽しい\(^o^)/」ってなります。ほんとですよ!!

理由は簡単。敵となっている組織が仕掛けてくる行為がすべて数学に関連しているから。

もちろん、私はその問題なんてまーったくわかりません。だって足し算すらもまともにできないもん。

 

しかし、解決編で渚ちゃんがみんなに「ここがこうなって、こうだから、こうなるんです」って可愛らしく丁寧に解説を挟んでくれるので安心♪

例えば円周率の説明のシーン…

「えーと、材料配分がとても苦手なケーキ屋さんがいたとします。(後略)」

(省略)

「彼女は、いろいろ試した結果、ついに気づきました。直径の長さに3.14をかけたら、だいたい円周の長さと同じになる。直径15センチなら47.1センチ、直径20センチなら62.8センチ」

p.203より引用

でしょ!?あまりの分かりやすさに、「あっ、なるほど~(●゚∀゚)」とつい頷いてしまいますよね。

 

円周率は誰もが一度は聞いたことのある用語ですが、他にも「フェボナッチ数列」や「カルダノの公式」など数学に触れている人しか聞かない様な用語も登場します。

それでも、上記のように分かりやすく渚ちゃんが説明してくれるので数学が苦手な人でも安心して読むことができますね(^^♪

本文だけじゃなく細かな所にも数学が潜んでいる

『浜村渚の計算ノート』は4話構成のお話となっています。

収録している物語は

  • log10.『ぬり絵をやめさせる』
  • log100.『悪魔との約束』
  • log1000.『ちごうた計算』
  • log10000.『πレーツ・オブ・サガミワン』

というような内容。

普通なら「1話」と書かれているはずなのに、本作では、「log10」とされています。

勘の良い方ならもうお気づきでしょう…

 

 

そうです。「log10=1」なのです(‘Д’)

まさか、話数にまで数学を用いるとは、青柳さんのアイディアに驚きを隠せません。

他にも、章の区切り部分には「1章」の代わりに「√1」。

「2章」なら「√4」という風になっています。

 

私は、『浜村渚の計算ノート』を読むまでルートを整数に直す計算ができなかったのですが、本作のおかげで、できるようになりました!(^^)!

まとめ : 数学の知識が身につくだけでなく、とても読みやすい

『浜村渚の計算ノート』のまとめは、”数学の知識が身につくだけでなく、とても読みやすい”に尽きます。

数学の教科書がすべて、本シリーズだったら良かったのに…。と思ってしまうほど分かりやすい解説。

「数学=小難しい」と考える気持ちはわかりますが、本作は、まるで小中学生向けに書かれたような文章でかなり読みやすく、親しみやすい文体。

それでいて、数学の内容は濃く、数学好きの人でも納得頂ける仕上がりだと感じました。

 

結論としては、数学好き、数学嫌い、ミステリー好きの3タイプの方に非常におすすめしたい作品。

ぜひ、皆さんも読んでみてください。

 

あ、そうそう。

割り算をするときは0で割ったらいけません。

これは、私たち人類が悪魔と交わした、数学史上最も重要な約束事の1つなのですから。

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