今回は、有栖川有栖さんの「学生アリス」シリーズの順番とあらすじを紹介。
人によっては、「学生アリス」シリーズを「江神二郎」シリーズや「学生編」などと呼ぶこともあります。
「学生アリス」シリーズ→「作家アリス」シリーズという流れで、私は読みましたが、読む順番などを深く考えずに読んでも、基本的に問題はありません。
しかし、シリーズものである以上、やはり順番通りに読みたいという人もいるでしょう。
というわけで、早速、「学生アリス」シリーズの読む順番・各話のあらすじを紹介していきます。
Contents
「学生アリス」と「作家アリス」の違いとは
簡単に言うと、お互いにパラレル世界のような関係。
「学生アリス」シリーズの有栖川有栖が、「作家アリス」シリーズを執筆。
逆に、「作家アリス」シリーズの有栖川有栖が、「学生アリス」を執筆しています。
「学生アリス」シリーズは、文字通り主人公たちが学生であるため、それなりの制約があるのです。
限られた条件の中で、いかに本格ミステリーの醍醐味が組み込まれているのか。また、青春の懐かしさをどのように、表現されているのか。この2つに注目して読み始めて頂きたい。
「作家アリス」シリーズは、主人公が30代のため、作品の自由度は幅広い。
探偵役と主人公の漫才的な掛け合いは「学生アリス」ではあまり見かけないので、新鮮です。
個人的には、「学生アリス」は長編が多く、「作家アリス」は中編・短編が多い印象。
また、「学生アリス」シリーズでは、長編に必ずクローズドサークルが使用され、読者への挑戦状が差し込まれています。
有栖川有栖さんが出題する謎を推理しながら読むも良し、挑戦状はスルーしてダラダラ読み、そのロジックに酔いしれるのも良し。
とりあえず、正統派本格ミステリーが好みの人におすすめのシリーズなのです。
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「学生アリス」シリーズの読む順番・あらすじ
冒頭でも言った通り、「学生アリス」シリーズに限らず、「作家アリス」シリーズも読む順番は基本的に気にすることはありません。
一部、登場人物がリンクしていたりしますが、作品の本質的な部分には関係していないからです。
それでも、読む順番が気になる人は下記を参考にしてください。
- 『月光ゲーム』
- 『孤島パズル』
- 『双頭の悪魔』
- 『女王国の城』
- 短編『江神二郎の洞察』
「作家アリス」シリーズは、”ずっと使える設定”にしてあるので、シリーズの巻数は膨大です。
それに比べ、「学生アリス」シリーズは、”長編5作、短編集2作”で終わらせると、有栖川有栖さんが明言している上、巻数も少ないので新規参入のハードルは、比較的引くめかと思います。
「学生アリス」シリーズは、本格ミステリーとして評価が高いのは、言うまでもありません。
それだけでなく、「学生アリス」シリーズは、学生の将来への不安や恋愛要素が多いことから、青春小説としても、かなりのもの。
1.『月光ゲーム』
「学生アリス」シリーズの1作目にして、有栖川有栖さんのデビュー作。
有栖川有栖が所属する、英都大学推理小説研究会の面々は、夏の合宿でキャンプ場を訪れていた。
しかし、突如火山が噴火し、山崩れにより帰り道が塞がれてしまう。
さらに、その状況下で、不可解な殺人事件が…。
現場に残されていた、「Y」のメッセージは何を示すのか。
という、あらすじです。
ダイイングメッセージにクローズドサークルと、ミステリー好きが大好きな、セットメニュー。
謎解きもフェアで、回答編前に読者が推理するための間が設けられていたり、犯人にたどり着くためのルートが複数存在していたり、読者に優しい新設設計。
主人公が学生という要素を上手く使い、やや青臭いが多くの心理描写と、場景が綺麗に書かれているため、本作が世間から高い評価を得ているのも納得だ。
夏合宿のために矢吹山のキャンプ場へやってきた英都大学推理小説研究会の面々――
2.『孤島パズル』
孤島の美しい海で序盤はリゾート気分♪
しかし、それでけで終わるわけではなく、やはり事件が起こるんですよね…。
本作も、もちろんクローズドサークルもの。
今回は、南の島で殺人事件。連絡船が来るのも5日後…
さらに、無線が破壊させれ、外部との連絡を強制的に遮断されます(((゚Д゚)))
読み心地は、良くも悪くもクセが無く、ミステリー小説を多く読まない人でも楽しめるような作品。
個人的には、面白い、読みやすい。だが、もうひと押し欲しかった。
でも、あの凝ったトリックは、まさしく”パズル”を解くような楽しさが秘められています。
英都大学推理研初の女性会員マリアと共に南海の孤島へ赴いた江神部長とアリス。
3.『双頭の悪魔』
有栖川有栖さんと言えば、この作品だ。という人は多いのではないでしょうか。
これまで多くの作品を執筆している、有栖川有栖さんですが、そのなかでも本作は逸材。
2つの場所で同時に殺人事件が起きてしまう、これぞ本格ミステリーと思わせつ設定。
さらに、作中では、3度も読者への挑戦状が叩き付けられています。
有栖川有栖さんのチャレンジ精神に脱帽です。
これまでは、青春小説的要素を多く含んでいましたが、今回は最小限に抑え、可能な限り本格ミステリー寄りにした印象。
ロジックは言うまでもなく素晴らしいのですが、文庫本にして700ページもあるボリュームなのに、それを全く感じさせないストーリー構成と読みやすさは、流石の一言。
他人を寄せつけず奥深い山で芸術家たちが創作に没頭する木更村に迷い込んだまま、マリアが戻ってこない。
4.『女王国の城』
前作『双頭の悪魔』から15年の歳月を経て、ようやく発売したシリーズ4作目。
江神部長が大学に姿を見せなくなった。どうやら、とある宗教団体の聖地に向かったらしい。
不安を押さえられず、江神部長の後を追うことしたアリスたちが、そこで連続殺人事件に遭うお話。
上下巻合わせて、800ページオーバーの大作。
しかも、今回はかなり冒険小説っぽい仕上がりに。「城」からの脱出シーンは、鳥肌ものです。
怪しすぎる宗教団体に、クローズドサークル。さらに、ある事情から警察が介入できない状況での推理…。
これほど読み応えのある作品を書いてくれるのなら、たかが15年待たされるくらいどうってことありません!(^^)!
ちょっと遠出するかもしれん。そう言ってキャンパスに姿を見せなくなった、われら英都大学推理小説研究会の部長、江神さん。向かった先は“女王”が統べる聖地らしい。
短編『江神二郎の洞察』
本シリーズは、読む順番を気にする必要がないと言いましたが、この作品はファン向けのお話なので、最初に読まない方が良いかもしれません。
シリーズ1作目~4作目までに、長編で起こった事件の合間に、メンバーが遭遇した出来事がメイン。
これまで、「学生アリス」シリーズを通して読んでいる人は、要所要所で「あぁ~」とか「お~」と思う仕掛けがあります。
それもふまえて、本作がファン向けの短編であると考えるポイントです。
上記で紹介した長編を読み「学生アリス」シリーズを好きになった人が読むと、とても楽しめる。
英都大学に入学したばかりの一九八八年四月、すれ違いざまにぶつかって落ちた一冊―中井英夫『虚無への供物』。
「学生アリス」シリーズのまとめ
では、最後に本記事のまとめを書いておきます。
「学生アリス」シリーズの読む順番は…
- 『月光ゲーム』
- 『孤島パズル』
- 『双頭の悪魔』
- 『女王国の城』
- 短編『江神二郎の洞察』
現在はこのようになっています。
しかし、本シリーズは、順番は気にせず、読みたいものから読んでも問題ありません。
ですが、短編『江神二郎の洞察』はファンが好む要素が多いため、最低限長編を読んでからの方がよいでしょう。(できれば、長編4作を読了してから…)
さらに、「学生アリス」シリーズは、”長編5作、短編集2作”で終わらせると、有栖川有栖さんが明言しています。
となると、残すところ長編・短編各1作ずつで終了してしまうというわけです。
とにかく「学生アリス」シリーズが気になった人は、ぜひお手に取ってみてください。
その時に、この記事が少しでも皆様の参考になれば幸いですm(_ _”m)
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