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我孫子武丸さんのおすすめ作品|『殺戮にいたる病』以外で厳選しました

我孫子武丸さんのおすすめ

我孫子武丸さん。

そう聞いて真っ先に思いつく作品は『殺戮にいたる病』ではないでしょうか。

ネットでもいろんな方が「我孫子武丸さんの作品読むなら『殺戮にいたる病』です!!」って感じですよね。

もちろん、私も我孫子武丸さんのおすすめを教えて。といわれれば即答で名前を挙げると思います。

 

ですが、今回は我孫子武丸さんの代表作『殺戮にいたる病』をあえて除外して紹介してみようと思います。

どうぞ、最後までお付き合いくださいm(_ _”m)

1.『8の殺人』


8の字屋敷で部屋で寝ていた人がボウガンで撃たれて殺害されます。

2人目の被害者は無残にもドアの内側にハリツケにされていました。

そんな、ボウガン連続殺人事件に挑むのは速水警部補とその弟に妹。

彼らが導き出す真実とは?

 

さて、〈速水三兄弟〉シリーズの1作目です。

我孫子武丸さんの作品というだけでもハードルが上がっていますよね。

加えて、冒頭の犯人の独白で一連のトリックの芸術性を熱く語っており、期待度は増すばかり。
(もちろん、犯人の名前は伏せられています)

それに、我孫子武丸さんのお話は難しい言い回しが少なくかなり読みやすい。

 

本シリーズでは明るいキャラクターも多く登場し、一見するとライトミステリーのような印象。

しかし、事件のトリックや探偵役のロジックは完全に本格のそれ。

このメリハリがきちんとされているところが本シリーズの読み応えをグーンとあげているんですよね。

建物の内部にある中庭が渡り廊下で結ばれた、通称“8の字屋敷”で起きたボウガンによる連続殺人。最初の犠牲者は鍵を掛け人が寝ていた部屋から撃たれ、二人目は密室のドアの内側に磔に。

2.『0の殺人』


〈速水三兄弟〉シリーズの2作目です。

前作を読んでいなくても、問題なく読めるのですが、一応、順番に読んでいくのをおすすめします。

そして、本作は数ある我孫子武丸さんのお話の中でもかなりの異色。異色中の異色の作品なのです!!

 

まず、冒頭で”作者からの注意”という形で容疑者を4人まで絞った挑戦状が叩きつけられます。

それをしっかり頭に焼き付けて終盤「あー、これ犯人わかった」となりますが…

……我孫子さんにしてやられました…。

 

ミステリー小説において、ここまでの爽快感を与えてくれる作品はそう多くはありません。

我孫子武丸さんのファンなら一読の価値は充分にあります。

しかし、残念なことに今の時代で本作を入手するとなると中古本1択なので、早く新装版を出してほしいのですが…。

物語の冒頭に置かれた〈作者からの注意〉に、驚くべきことに、奇妙極まりない殺人劇の容疑者たち四人のリストが公開されている。この大胆かつ破天荒な作者の挑戦に、果してあなたは犯人を突きとめられるか?

3.『メビウスの殺人』


金槌による撲殺と縄での絞殺が交互に繰り返される連続殺人事件。

現場には常に謎の数字が書かれたメモがあるが…

本事件の犯人は複数なのか、はたまた単独なのか?

 

〈速水三兄弟〉シリーズ全体に言えることですが、人が多く亡くなっています。

ですが、キャラクター設定が濃いお陰でどんよりとした雰囲気はなく、あっさりと読めます。

また、本作でもドタバタギャグは健在です。

 

ちなみに、我孫子武丸さんの代表作『殺戮にいたる病』のアイディアは本作を執筆中に思いついたとか。

「ギャグも挟まれ明るい雰囲気の『メビウスの殺人』に全体的に暗い『殺戮にいたる病』。この2作に共通点ってあるのか?」

と最初は思いましたが、たしかにそう言われたあとで読み返してみると、どこか本作を彷彿させる所がありますね♪

大東京を恐怖のどん底につき落とす連続殺人が発生。犯行は金槌によるメッタうちと絞殺が交互する。犯人は一人か、あるいは別人か。現場には常に謎の数字を記したメモが…。

4.『探偵映画』


新作映画の撮影の最中、監督の大柳登志蔵が失踪しました。

すでにラッシュ(まだ、声が入っていないテープ)は完成していて、公開予告も流れています。

しかし、この段階で映画のラストを知る者は監督ただ一人。

仕方なく、残されたスタッフと俳優で撮影済みのテープから犯人を推理しようとするが…。

 

そう、犯人当てをやる事になったのは新作映画のスタッフ達と「俳優」達なのです。

全くの無名監督というわけではなく、知名度も作品の評価も上々の監督の作品。

なので、俳優達は犯人役が1番目立つ。という理由から「この映画の犯人は自分だ」と主張し始めます。

しかも、かなり的外れな推論を披露する始末…

このくだりがかなり人間臭くって好きなんですよね♪

 

こんな感じですが、『8の殺人事件』などに並ぶ実に我孫子武丸さんらしい衝撃的な最後。

読後、速攻で映画を借りにビデオレンタル店にひとっ走りしたくなる作品でございます。

新作の撮影中に謎の失踪を遂げた鬼才の映画監督・大柳登志蔵。すでにラッシュは完成、予告編も流れているが、実はこの時点で作品の結末を知るのは監督のみ。

5.『狼と兎のゲーム』


小学校5年生の山下心澄望(こすも)は警察官である父親に日々暴力を振るわれていました。

ある日、自宅へ帰ると父が弟である甲斐亜(がいあ)を殺害し、庭に埋めているのを目撃します。

母親は2年前に失踪…

友人であり共に犯行を目撃してしまった藤沢智樹と2人で父から逃げる。

目指すは、母がいると思われるある場所。

しかし、そこにも父は現れ…

 

父(狼)からただひたすら一生懸命に逃げる心澄望達(兎)という設定と、我孫子武丸さんの文体がマッチして一気読みしたくなる作品でした。

 

タイトルからも分かる通り、かなりスリリングで、常にハラハラしてしまうようなお話。

なので、あまり深く考えることもあまりなく、ガッツリ世界観に浸れます。

そして、我孫子さんの犯罪者側の心理描写の上手さ。これが輝いていましたね♪

つい、「え、こんなに鮮明に表現できるもの?」と声が出てしまいます。

智樹のクラスメイトの心澄望は、警察官の父親から暴力を振るわれて傷が絶えない。夏休みのある日、勤務中の父親のパソコンを壊してしまったと怯える心澄望と智樹がこっそりと家に戻ると、弟の甲斐亜の死体を始末している父親の姿が。

6.『裁く眼』


漫画化になり損ね、似顔絵かきとして生計を立てている袴田鉄雄の元に法廷画の依頼が舞い込んできます。

本意ではないものの、法廷画の仕事を引き受けることに。

そして、公平な眼で法廷画を描き上げ、画がテレビで放送された直後鉄雄は襲われてしまいます。

法廷画に何が描かれていたのか…?

 

ミステリーでは超王道の法廷ものを我孫子武丸さんが書くというのだから読むしかありません。

それに、今回の主人公は法廷画家という特殊な設定。

 

他の方も言っているように、本作はミステリーとしてはやや肩透かし…。

ですが、シリーズものとして次作が発売されるのであればかなり期待できる作品です。

なので、この記事、我孫子武丸さんのおすすめ作品として紹介させていただきます。

漫画家になり損ね、浅草の路上で似顔絵を描いて生計を立てている袴田鉄雄。あるとき、彼の腕前を見込んだテレビ局の人間から、「法廷画」を描いてほしいという依頼が舞い込む。

7.『弥勒の掌』


愛する妻を殺されたベテラン刑事と妻が失踪して途方に暮れている高校教師。

互いの妻が何らかの事件に巻き込まれているのではないかと疑いを持ち、とある宗教団体を調査することに。

どう考えても怪しい宗教団体の正体とは?

妻とどう関係してくるのか?

 

素直に騙されました。

途中から物語のオチを予想してんでいたのですが、見事に裏切られ、「こう来たか…!!」って感じでした。

 

それに、どこから見ても怪しい謎の宗教団体と妻の関係性が気になりすぎて、グイグイ作品に引き込まれていくんですよね。

「ページをめくったら手が止まらない」というのはこういうことを言うのか。

愛する妻を殺され、汚職の疑いをかけられたベテラン刑事・蛯原。妻が失踪して途方に暮れる高校教師・辻。事件の渦中に巻き込まれた二人は、やがてある宗教団体の関与を疑い、ともに捜査を開始するのだが…。

おわりに

我孫子武丸さんのおすすめ作品を紹介してきましたが、いかがでしたか?

『殺戮にいたる病』以外という条件で何作か厳選しましたが、個人的には満足して頂ける作品を紹介できたのではないかと思います。

 

もしも、「え、私まだ『殺戮にいたる病』読んでいないんだけど」という方はぜひそちらから読んでみてください。
※グロ耐性が無い方はあまりおすすめできませんが…

この記事が皆様の参考になれば幸いです。

ではまた次回お会いしましょう!!

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